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塾長ブログ.....思いつくまま そのままに。

受験態勢の仕上げとしての勉強の取り組み方

先日 高校受験生に向けて書きました内容の続編 『高校受験生…残り2ヵ月をどう乗り切るか。…その②』です。
その①は → こちらをご参照下さい。


今週末で学校の授業も終わり、中学生活最後の冬休みに入るわけですが…。
ラストスパートに入る前に、ちょっと自問自答してみよう。
・「ゼッタイ第一志望校に合格するんだ!」と言う強い意志(執念)を持っているか。
・「毎日欠かさず頑張った」と自信を持って言えるか。
・だから「一日でもサボッたら合格はない!」と真剣に思っているか。
 
まず、今の生活スタイルを確認し自分なりの形(リズム)を確立するところから始めます。

サンタ.jpg つまり毎日の勉強時間帯を確定することが大事ということです。
 
 

 ○入試2ヶ月前勉強法○
 
《ポイント①》  決まった時間になったら必ず勉強を始める

・    気が向いたら とか やる気になったら はダメ。
・    「何時から何時までは勉強時間」というルールをつくって必ず実行。
 
《ポイント②》  1時間毎に必ず教科を変える!

・    実際の試験時間が50分である事を意識して、全力で50分間集中できる自分をつくる・鍛える。
・    1時間以上をまとめて一人きりで勉強すると、実際には能率が落ちている、きりが悪くても教科を変えアタマを切り替える。
 
《ポイント③》  教科の順番は「苦手→得意→苦手→得意」という順番で…!

・    苦手な(嫌いな)教科は頑張れないという教科のムラをつくらない。
・    嫌いな(苦手な)教科は後回しにしているとその教科の取り組み時間が減ってしまう ⇒ 先に手を付ける習慣づけ。
 
《ポイント④》  “最低3時間、普通に4時間” を最低の目安にする!

ボリュームよりクオリティと言う事も大事だが、類題を数多く繰り返し演習する行為が、それを完全に自分のものとして定着する(入試で類似の問題に当たった時に自然に解法が出てくる)ということも事実 ⇒ 中学3年間の全単元をやるわけではない、前述のように頻出傾向問題に絞った学習なので、そこに時間を集中する。

・    “2時間ぐらいはしている” とか言っているようでは、受験生として話しにならない。
・    塾があっても「2時間は頑張る」、塾がないときは「最低3時間」が目安。
・    塾で自習という手もある ⇒ 授業がなくても先生がhelpしてくれる筈。
 
《ポイント⑤》  冬休みや土日の午前中・午後をどう使うか!

・    午前9時にスタートし2時間、午後も1時に勉強スタートと言う習慣づけ。
・    本番の試験は午前9時開始です、朝寝坊していては本番に強い自分自身も、そしてリズムもつくれない。
・    時間的に余裕のある冬休み・土日(学校のない日)に集中的に過去問演習をする。
入試と同じ1教科50分間を集中して「問題を解く」⇒「答え合わせ」⇒「誤答した問題を教科書やテキストで復習」⇒「解きなおし」…ここまでがワンセット。
  過去問はだいたい6ヶ年分が1冊になっているので、繰り返し解き問題の形式や答え方を身に付け正答率を上げていく。例えば1クール目が60点平均としたら2クール目は80点、、3クール目は100点が目安というように目標に近づくまで取り組む。(丸暗記するくらい取り組む)
 入試当日の点数は、家で解いた点数のだいたい9割くらいと考える。
 
 
○入試1ヶ月前勉強法○目覚まし時計.jpg
目覚まし時計活用術
 

 《ポイント⑥》  入試本番モードの自分をつくること!

・    入試本番で“精神的に強い自分”をつくる。
・    “50分間一瞬も気を抜かず集中できる自分”をつくる
…直前の公開会場模試への参加。受験本番さながらの環境に身を置き、そこからの成果と反省を具体的に考える。
 
《ポイント⑦》  時間が読める自分をつくる!

・    勉強(特に過去問)を始める前に目覚まし時計以外に時間がわかるものを視野に置かない。
・    50分後にアラームをセットし、裏返しにして見えないようにする。
・    慣れてくると、だんだん時間が読めるようになってくる。「30分くらい経過した」とか「そろそろ鳴るな」とか分かってくる…凡そでいいので時間の感覚が掴めて来ると、これが入試本番で生きてくる。
・    見直しの時間(例えば…ラスト10分)をつくる時間配分のクセをつける。
…本番で時間が読めないのは突然の反応が出来ずに失敗につながる事も。
 
○2月入試直前の勉強法 ○
☆  テーマ蓄えた力の全てを出し切るために入試当日に向け、心身ともに最高のコンディションに持って行く。
 
《ポイント⑧》  新しいものには手を付けない、今までやってきた事の整理をする。

・    今までの学習で理解してきたことを書き込んできたノートに目を通す…その問題を自身で解いた時の情景が蘇ってくる、理解した自分を思い描き自信につなげる。
 
《ポイント⑨》  健康に留意し、完全朝型生活を身に付ける。

・    朝9時に脳がフル回転しているコンディション作り。
・    入試直前は体調管理が一番のポイント。
 
 

--------- そして、これ大事 !! ---------

○3月の過ごし方 ○
高校入試の合格がゴールではない!!!
 
「受験が終われば思いっきり遊べる」は、半分○、半分×
遊ぶのもおおいに結構ですが、せっかく頑張ってきた学習習慣を完全に忘れ去って、合格の喜びの延長と遊びの習慣に慣れ切って高校の入学式を迎えた結果、遊び習慣が染み付いて高校生活で苦戦の連続という高校生を何人も見て来ました。
 
高校の履修内容は中学校に比べ大きく難易度が上がり、深く専門分野にも入っていきます。
せっかく頑張って身に付けてきた学習習慣と知識は、使わなければ使わないほど脳の奥に追いやられ、なかなか出て来ないものとなってしまいます。⇒ 『知識は、入れたり出したり』 参照
もったいないなぁ!
 
受験が終わってすぐは毎日勉強しろとは言いません、しかし気持ちの良い高校生活を送る為の準備にも少しは時間を使って下さい。
 
☆  3月のテーマ
①  頑張ってきたリズムを壊さない。
②  高校生活のスタートでつまずかない為の準備をしよう。
 
《ポイント⑩》  難易度の上がる高校履修内容に付いていける基礎の復習

(特に英語・数学の最低これだけはやりたいポイント)
・    英語 ⇒ 中学で習った英単語・英熟語を完璧に覚え直そう。
           重要文法(関係代名詞・完了形 等)をもう一度復習しておこう。
・    数学 ⇒ 二次方程式・二次関数を完璧に理解しよう。
・    余裕があれば高校の出だしの単元を予習できれは゛OK!

 
※   当教室では2月後半から3月いっぱい『 高1準備講座 』を実施し、高校の学習内容にスムーズに入れるよう高校スタート応援学習を行います。
 
希望とともに、自信と余裕を持って高校生活をスタートしよう !!
 

高校受験生...残り2ヵ月をどう乗り切るか。

いよいよ高校入試まであと2ヶ月を切りました。
ここまで頑張って基礎固めをしてきた成果を、受験本番の点数獲得に繋げる受験態勢の総仕上げの時期です。
 
以前にも書いてきたように、神奈川県の公立高校入試選抜制度は“S値 ” により合否がきまります。
 
この時期 既に中学校から3年生の成績の最終評定(内申)が手渡されていると思います。
公立高校の合格基準S値は、中学校の“内申点”と入試当日の“学力検査”そして“面接”の総合評価です。
⇒ ブログ『学力と成績、そして入試との関係』参照
 
 
そのうち既に確定しているのは“内申点”…. ここから逆算して自分の志望校に対して当日の5教科学力検査で何点の得点が合格のために必要かを計算し、これを最終目標とします。
 
当然 高校別に目標点は変わります、中学校では川崎診断テスト(川崎市の場合)の過去実績からしか想定出来ないと思いますが、塾に通っている生徒さんは高校別の合格想定S値を塾から貰っていると思います。
 
余談ですが、当教室では上記計算の全てと、そして比較対照する月別模試結果データ(入試予想点)を個人別にまとめた「個人別 内申・合否換算表」を作成し、きめ細かい分析を通して充分に時間をかけた個別面談により志望校決定の相談をさせていただいています。
 
因みに中学校の面談会(進路相談)は、1クラスの生徒の人数が多く相手をするのが担任の先生1人(ないしは副担任と二人)という事情もあり10~20分単位の流れ作業的な面談ですが、当教室の三者面談はじっくりと1時間は掛けます。
これも以前書きましたが、学校の面談はデータ不足と短時間の相談時間ですので、あまり突っ込んだ相談を掛けると….塾で聞いて下さい….と言う返答で終わってしまう事も・・・。
しかし、これも30~40人の集合体と効率よく面談し結論を出さねばならない学校の先生の辛いところだと理解しています。
 
 

  さあ志望校に対しての目標(合格に必要な獲得点数)が決まりました。
入試問題は中学3年間の学習内容からの出題です….そう過去に習った事が出るのです。

 そうです この広い範囲からどうやって入試当日の学力検査の点数に繋げていくか。
ここからは学力検査の点数獲得対策、要はテクニック面の学習になります。
 
夏から秋にかけて3年生の履修内容の習得と並行して1年・2年の既習内容の総復習も塾や家庭学習でやって来ていると思います。
この積み重ねてきた基礎学力があって初めてテクニック面の学習に入っていける訳です。
 
“ 学力検査の点数獲得対策 ”….過去の頻出問題傾向の把握とその問題に対して確実に得点する対策です。
 
幾何学.jpg
神奈川県の出題傾向は概してコンサバティブです。
数学に例をとると、毎年大きく7問の設問を設定しています。
大問1と2は計算問題。

大問3は関数のグラフから解を導き出す問題。
大問4は確率の問題。
大問5は式の証明問題。
大問6は立体図形の問題。
大問7は平面図形の証明問題。
 
…と言うように、25年度の入試制度の変更前後でもこの傾向に変わりはありません。
ただし25年度以降各教科とも記述式の割合を増やしています、数学でも大問5と大問7の証明問題が以前の穴埋め完成問題から完全記述式問題へと答える内容が変わって来ています。
 
点数獲得対策として例えばですが、まず大問1・2は難度もそう高くないので確実にフルに得点するための計算演習の数をこなす事。
大問5と大問7の証明問題は、どんなに難しい問題でも とにかく書くこと、解かるところまででもいいので書くこと、フル得点が難しくとも部分点を獲りにいく、1点でも多く加点する努力を怠らない事。
等々…。
 
 
….と一例だけ書きましたが、当教室では27年度受験対策として『昨年の入試出題内容と近年の出題から傾向を読む』と題した5教科全ての対策用冊子を塾生に配布し、過去問の演習とともにこれに沿った授業を今まさに進めているところです。
これには、27年度入試の単元別テーマ別出題予想も記してありますので、塾の授業時間だけでなく家庭学習においても的を射た点数獲得対策学習が出来るよう指導しています。
 
 
次回は “ 高校受験生…残り2ヵ月をどう乗り切るか。…その② ” として
『受験態勢の仕上げとしての勉強の取り組み方』を書きます。
 

 

『 学力と成績、そして入試との関係 』 その3

参考資料として、特色検査を実施する高校をタイプ別に分類した一覧表を添付しておきます。( H26年度現在 )

特色検査の種類 実施する高校・学科
自己表現 記述型 横浜翠嵐、希望が丘、柏陽、市立南、横浜緑ヶ丘
湘南、平塚江南、厚木小田原、西湘(理数)、
市立横浜サイエンスフロンティア
スピーチ型 光陵、厚木東、二俣川看護福祉、津久井(福祉)
討論型 神奈川総合(国際文化)
実技
白山(美術)、荏田(体育)、市立戸塚(音楽)、
上矢部(美術陶芸)、山北(スポーツリーダー)、
厚木北(スポーツ科学)、市立川崎商業(スポーツマネージメント)、
市立橘(スポーツ)、横浜国際
弥栄(音楽・美術・スポーツ科学)、市立川崎総合科学(デザイン)
太字は、旧学力向上重点校です。

※上表は改革初年度の内容です、H29年度入試は特色検査実施校・実施内容の一部に変更があります、変更内容はこちらをご覧下さい。



○神奈川県内に3校あるクリエイティブスクールの選抜方法についても少し触れておきましょう。

クリエイティブスクールの共通選抜は
・調査書の評定(5段階評価)は選抜資料としない
・調査書の観点別評価、記載事項及び各学校が実施した検査を選抜資料とし総合的選考を行う。

では実際にはどのような選抜を行うのでしょうか。

<田名高校の例>
(1)調査書の観点別学習状況の評価で、2年生・3年生の各教科の『関心・意欲・態度』の評価を
A=2点  B=1点 として点数化する(K1=72点満点)

(2)調査書の観点別学習状況の評価で、2年生・3年生の保健体育、音楽、美術、技術・家庭の『関心・意欲・態度』以外の評価を
A=2点  B=1点 として点数化する(K1=16点満点)

(3)面接について、観点ごとに点数化し合計(M=20点満点)
観点 : ・入学希望の理由  ・高校生活に対する意欲と積極性  ・これまでの活動に対する意欲  ・面接の態度

(4)自己表現検査について、観点ごとに点数化し合計(T=20点満点)

【 選考 】
S = K1 + K2 + M + T (128点満点)


数値化した“ S値 ” で総合評価しS値の高いものから選抜する。



『学力と成績、そして入試との関係』その①

『学力と成績、そして入試との関係』その②


『 学力と成績、そして入試との関係 』 その2

それでは学校の成績と公立高校の入試がどんな関係にあるのか…。
 
神奈川県の公立高校の入試(共通選抜)は、中学校から志望校(受験する高校)宛てに提出される“調査書(内申)”と入学試験日に実施される“学力検査”そして“面接”、この3つを総合的に評価し入学許可者を選抜します。
 
簡単に書くと
『中学の成績(内申)』+『学力検査(筆記試験)』+『面接』= 選抜基準(S値)
 
この選抜基準“S値 ”の事をもう少し詳しく説明します。
中学の成績は、2年生の評定は1倍、3年生の評定は2倍して合計します。(換算内申点)
評定は5段階評価の9科目ですから満点は135点です。
入試当日の学力検査は、英・数・国・理・社の5教科それぞれ100点満点の
合計500点満点でテストが実施されます。
面接は、100点満点です。
 
中学の成績・学力検査・面接 それぞれスケール(満点の点数)が違うのでただ足し算すると言う訳にはいきません。
そこで次の式を用いて同一の尺度にして合計点を出します。

  ・成績(内申)点を、・学力検査の点数を、・面接点をとします。
(特色検査を実施しない一般的な高校の例)

○第1次選考(S1値)
少年ばんざいマンガ.JPG少年ばんざいマンガ.JPGのサムネイル画像
1 =(A÷1.35×f)+(B÷5.0×g)+(C÷1.0×h)

※S1は1,000点満点の数字になります。
 
ここで算出したSの値の高い方から順番に各高校の募集定員の9割までを合格とします。

算式の中にf・g・h の3つの記号が出てきました、これは各高校が中学の成績・学力検査・面接 の3つの評価基準のうちのどの項目に重点を置いて合格者を選抜したいかによって各高校が独自に決めている割合です。
合計して10になる数値(特色検査を実施しない一般的な学校)を各高校が発表します、この数値をf(内申)・g(学力調査)・h(面接) に置き換えて掛け算します。
 
2014年度入試ではf : g : h が2:6:2の高校から6:2:2の高校まで存在しました。
成績(内申)・学力検査を同じ比重で評価する4:4:2を採用する高校が一番多かったですが、上位校では学校の成績より当日の学力検査の結果を重視する傾向にありました。2:6:2や3:5:2など。
 
2:6:2 … 2校  (学力検査最重視)

少年ばんざいマンガ.JPG 3:5:2 … 40校 (学力検査重視)
4:4:2 … 89校  (内・学 均衡評価)
3:5:2 … 36校 (内申重視)
6:2:2 … 7校  (内申最重視)
3:4:3 … 1校  (学力検査・面接重視)
4:3:3 … 7校  (内申・面接重視)
 
面接はほとんどの高校で2割の比率で評価していますが、過去2年間の採点(簡易開示を請求した受験生のデータ)を見る限りでは、各高校とも面接で大きく差をつける結果とはしていない事が分かります。
(面接重視型の一部のデザイン系学科・福祉系学科は確認が取れていません)

 
○特色検査について。
通常は、ほとんどの高校で英・数・国・理・社の5教科の学力検査のみを行いますが、この5教科に加えてもう1科目学力検査(特色検査)を行う学校があります。

特色検査を行う高校は、県内26の高校及び学科で実施しています。
大別して2つのタイプに分類できます。
(1)   芸術(音楽・美術)・スポーツ系学科 看護・福祉系学科(実技を伴う検査を実施)
(2)   25年度の入試制度改革以前に独自問題を実施していた旧学力向上重点指定校を含む上位校(5教科を横断した総合的な知識問題や情報分析力を問う問題を出題)
(1)(2)ともに各学校独自の問題を出題しています。
 
特色検査を実施する高校のS値の算出は次の式となり、特色検査D及び比率 i が追加されます。(特色検査は100点満点)
 
1 =(A÷1.35×f )+(B÷5.0×g +(C÷1.0×h + (D÷1.0×i )

※  特色検査Dを含む高校は、S値が最大で1,500点満点となります。

(例1)横浜翠嵐 
2( f.内申) : 6( g.学力調査) : 2(h.面接) : 2(d.特色検査)  / S値1,200点満点
 
(例2)市立橘・スポーツ科
3( f.内申) : 3( g.学力調査) : 3(h.面接) : (d.特色検査)  /S値1,500点満点
橘高校のスポーツ科は特殊な例で身体能力検査を最重要視しています。

特色検査実施校のタイプ別分類表は次ページ

 
○  第2次選考(S2値)
第1次選考が内申(中学の成績)を加味し各校募集定員の9割を選抜するのに対し、内申を考慮せず当日の学力検査と面接の結果のみで定員の1割を選抜する選考を第2次選考と言います。
合格できるのは定員の1割ですのでこれを目標にすることはお勧めしません。

主に帰国子女や県外からの転入者など神奈川県内の中学校に内申データがない生徒に対しての選抜方式と考えて下さい。
ただし内申がボロボロでも学力検査の一発勝負で跳び抜けた点数を取れる自信があれば別ですが…。

S2 =(B÷5.0×g )+(C÷1.0×h )【 + (D÷1.0×i)

※   g ・ h の値は1次選考の数字とは異なります。
※ 特色検査を実施する学校は【    】部分を付加し合算
 
 
○  内申点及び学力検査点数の重点化
一部の高校で、ある特定の教科に比重をかけ重点評価する高校がある。
特に芸術系の高校・学科や国際学科で実施する高校が多い。
例えば美術の評定を2倍、学力検査も美術を2倍にしてS値を算出して選考に当たる…或いは音楽科では同様に音楽を重点化する。
国際科などでは英語を重点化する学校があります。

これにより内申は135点満点から変化する、学力検査も500点満点とは限らない、等の高校が存在する。
 
(例)生田 自然科学
調査書の教科のうち数学・理科の評定を2倍 … 165点満点
学力検査のうち数学を2倍 … 600点満点
この場合のS値の計算式

1 =(A÷1.65×f)+(B÷6.0×g)+(C÷1.0×h)
 
中学在学中からある特定の教科が突出して優秀な場合は、このような重点化選抜基準を設けている高校を志望する事もひとつの選択肢となると思います。
またこういった高校は入学後も重点を置いた指導をするので、自身の持っている能力をより以上に引き出し将来の進路設計にも助けとなってくれる学校だと思います。

生田高校・自然科学コースは29年度より普通科に統合されました。
     詳しくは、こちら → “ 神奈川県公立高校入試変更点( 1 )” “ 神奈川県公立高校入試変更点( 2 )”  “ 神奈川県公立高校再編計画 ” をご覧下さい。
 

 
学力と成績、そして凡その入試制度の事について書いて来ましたが、神奈川県の入試制度そして高校別の選抜の特色は多岐に渡り計算も面倒です、学校の先生に相談するも良しですが熟慮のうえ行きたい高校を決めて下さい。
 
データをたくさん持って進路相談に乗ってくれるのは、学校の先生より信頼できる地元の塾ですが…。
先日ある保護者からこんな話しを聞きました。
 
学校の進路相談の時に突っ込んだ質問を先生にしたら…『そう言う事は塾で聞いて下さい。』と言われてしまってビックリしたそうです。
 
しかし先生を責めるという事より模試などの詳細なデータを持たない公立中学校では、全体の中での生徒のポジションが分からず正確な進路指導が出来ないのが現実ですので、致し方ない返答だと思います。
 
 
その1から述べて来たように、まずは学校での成績につながる日々のガンバリを忘れない事、入試当日の点数獲得対策(テクニック面)はまだこれからでも間に合います。

もうすぐ前期が終わりますが、まだ3年の最終評定が出た訳ではありません、諦めず内申点を上げる努力をしましょう。
S値の計算を見てのとおり、出来る限り内申を上げることにより志望校に対して入試当日の学力検査で獲るべき点数が下がる相関関係にあると言う事を忘れずに…。



『学力と成績、そして入試との関係』その①

『学力と成績、そして入試との関係』その③




『 学力と成績、そして入試との関係 』 その1

久々のブログです。
忙しさにかまけて執筆をサボッてました <(_ _)>


今日は、学力と学校の成績の関係、そして神奈川県の例ですが皆さんの関心事である高校入試について書いてみたいと思います。
 
学力と成績って同じじゃないの….と思っているかも知れませんが、イヤイヤそれが違うんですねぇ
 
まず学力、これは学習して得た知識と能力。
そう自身で身に付けた能力なんです。
だから、どう頑張ったとかたくさん勉強したとかは関係なく、単純に今持っている『力』の事です。(テストの点数に現れます。)
 
一方、学校で評価する成績とは、その教科について成し遂げた成果(何をどうやって出来たかの過程も含めた事実の評価)です。
今持っている能力(学力)以外の部分も成績の評価対象にしています。
 
 
学校の成績表の5段階評定の左側に“観点評価”というA~Cまでのアルファベットの表記があります。
“創意工夫”とか“関心”・“意欲”・“態度”とか“判断力”とか“考え方”とかいう言葉が並んでいると思います。

中学校では、頑張った事や授業態度とか提出物をちゃんと出したりした事も成績
として評価してくれます。
成績はテストの点数だけで付けてはいないのです、テスト以外の事も全部成績を付ける材料となっている事を忘れないで下さい。
 
 
中間テストや期末テストでいい点を取っても、提出物を出し忘れたり授業中におしゃべりして先生に何度も注意されたりしている子は、テストが100点でも絶対『5』にはなれません。

逆に、テストの点数が平均点以下でも授業中に積極的に手を挙げていたり、ノート提出の時に分かり易い綺麗なノート(字が綺麗という意味ではありません。参照 ⇒ きれいなノートは…)を出したり、その教科に対して前向きに取り組んでいる姿勢のある生徒には、観点評価項目に『 A 』が並ぶ事も有りなのです。
 
だから、学校の成績を上げるという事は、中間テストや期末テストのその時だけ頑張ってもダメと言う事です。
 
 
例として以前神奈川県の中学校で成績の基準としていた内容を記しておきます。

□  観点評価 授業実践においての各単元(題材・テーマ)ごとの評価
A… 十分満足できるうち特に程度の高いもの
A  … 十分満足できる
B  … おおむね満足できる
C … 努力を要する
C … 一層努力を要する
 
□  観点の数値化 各担当教科教師の評価表イメージ
各資料の評価下限(達成度)
女子生徒③.jpg
A… 90%
A  … 80%
B  … 50%
C … 20%
 
資料例と評価割合
○  中間テスト … 20%
○  期末テスト … 20%
○  ノート提出 … 10%
○  授業態度   … 10%
○  課題提出   … 10%
○  小テスト① … 10%
○  小テスト② … 10%
○  小テスト③ … 10%
 

 
例えば、全ての資料項目で80%以上の達成度だと観点項目(国語5項目・国語以外4項目)全てがAとなりその教科の評定は“4”となります。
90%以上の達成度の観点項目が2つあるとAが2つとなり、Aが2つ以上の教科は評定が“5”となる。
観点評価の割合は、定期テスト2回分で全体の40%の比重にあたり、ノート提出・授業態度・課題提出の3項目でじつに3割の比重にあたる事が見て取れると思います。

もし定期テストの達成度が50%(50点とは限りません、同じ50点でも平均がどこかにより偏差値が変わります。)だとしても諦めてはいけません、他の観点での達成度が良ければ“4”は取れます。
 
 
高校入試の時、中学校の成績を調査書(内申書とも言います)として入学試験を受験する高校宛てに願書とともに提出する事になります。(調査書は生徒が開封する事は出来ません。)

それでは、この学校の成績と高校入試(神奈川県の公立高校)との関係はどうなっているのか・・・それは明日書くことにします。
 


『学力と成績、そして入試との関係』その②

『学力と成績、そして入試との関係』その③





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