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教育情報 2021年5月アーカイブ
令和3年度神奈川県公立高校入試 学力検査結果・分析
【 神奈川県公立高校入試結果・平均点(全日制)の推移 】
--- 25年度から共通選抜・各教科100点満点 / 24年度以前は後期選抜・各教科50点満点 ---
--- 25年度から共通選抜・各教科100点満点 / 24年度以前は後期選抜・各教科50点満点 ---
教科 | 国語 | 数学 | 英語 | 理科 | 社会 |
R 3年度 (2021年度) |
65.7 | 58.2 | 54.6 | 50.1 | 72.6 |
R 2年度 (2020年度) |
69.1 | 55.7 | 49.4 | 58.2 | 55.9 |
31年度 (2019年度) |
59.1 | 50.3 | 49.8 | 61.3 | 42.5 |
30年度 | 65.6 | 56.0 | 56.1 | 45.3 | 41.8 |
29年度 | 73.1 | 63.5 | 51.9 | 46.9 | 54.5 |
28年度 | 64.7 | 51.7 | 43.0 | 46.5 | 52.0 |
27年度 | 64.4 | 52.6 | 51.8 | 37.4 | 50.2 |
26年度 | 60.8 | 51.7 | 59.6 | 38.6 | 49.5 |
25年度 | 67.8 | 65.5 | 54.8 | 51.1 | 68.4 |
24年度 | 35.5 | 33.5 | 34.4 | 32.1 | 31.3 |
23年度 | 34.5 | 32.7 | 38.3 | 32.7 | 35.8 |
22年度 | 37.0 | 31.2 | 38.8 | 34.2 | 36.8 |
21年度 | 39.2 | 32.2 | 36.7 | 30.9 | 33.5 |
20年度 | 34.8 | 31.1 | 33.5 | 35.4 | 32.3 |
※ 29年度よりマークシート導入
令和3年度神奈川県公立高校入試(全日制)の結果が公表されました。
25年度の入試制度改革以降記述式の問題が増えました、29年度の「マークシート」の解答形式導入後記述問題が若干減ったものの選択肢が複雑化しています。マークシートが取り入れられたとは言っても難度が下がった訳ではなく、記述式の問題のみならず選択問題も含め「思考力・判断力・表現力」が問われる内容に変わりはありません。
入試制度改革以降、知識偏重型の問題から正確に問題を読み解き、そこから知識力をベースに結論を導き出し、それをどう表現するかを問う内容の問題へと変わっています、この傾向は継続的に続いています。
以下に今年度の入試問題 各教科別のポイントと主な内容を記します。
□英語□
全体の構成や配点は昨年と同様な内容だったが、休校期間への配慮として問題下部に語注がついた。
例年通り図や表を多用した英文が多く出題され読解力が試された。
近年の傾向「聞くこと」「書くこと」「読むこと」の全てについてに問う問題であったが、全体の難易度は昨年に比べ平易化した。
日常生活の場面にふさわしい内容を考え英作する記述問題と、英文と資料から必要な情報を読み取り内容を問うものを選択する問題の正答率は低かった。
特に例年同様な出題の問5の日常を描いたマンガをヒントに答える英作文の問題は毎年正答率が低い難度の高い問題で今年の正答率は14.5%でした。
□数学□
昨年に比べ問題の難易度はやや下がったように見受けられるが、相似や三平方の定理の出題が少なくなり、例年にない折れ線グラフや水槽の問題などに戸惑ったかも知れません。
問1・問2は例年通りの基本的な問題で、計算力を問う基本的な問題の正答率は高かった。
問3では出題内容が大きく変わり、近年にない合同の証明や面積比から線分の長さを求めるために正確な計算処理能力が求められる内容(アⅱ正答率7.8%)や、 割合を用いた連立方程式の文章題など難易度は高かった。
基本的・標準的な計算力を問う問題の正答率は高かった(問1・問2等)が、関数の問題、確率の問題、平面図形・立体図形の問題の条件を正確に読み取り考察する問題で正答率が低かった。
□国語□
全体の大問構成や問題の形式は昨年と変わりなく、問題の難易度も昨年並みで取り組み易かった。
正しい漢字を選択する問題や、古典の内容と一致するものを選択する問題の正答率は全体的に高かったが、俳句を説明したものの選択や指定された語句を用いて制限字数内で記述する問題で低い正答率だった。
問1は毎年漢字の問題、今年は普段目にする漢字で難度の低い得点し易い問題だった。
問2の古文も文意がつかみ易い内容で、選択問題も比較的解きやすい問題だった。
問5の論述の問題(イ)は本文や資料を丁寧に読めば答えが絞れる問題だったが、やはり記述問題は正答率が低く正答率19.6%だった。
□ 理科 □
全体の大問構成や問題数に変化はなかったが、問題文の情報量や思考問題の増加で昨年・今年と徐々に難易度はまた上がりつつある。
例年通り全分野から出題され、理科的な知識に基づいてそれを活用する力、考え方を問う例年通りの内容でした。一時の超高難度から昨々年は平易化した印象でしたが、昨年・今年と徐々に難度が上がり調整が入ったようです。
問1・問5の物理分野では読み取った内容を原理原則に当てはめて解く問題で、特に問5の台車の運動に適するものを選択するとともに、その理由を12字以内で記述する問題の正答率は4.3%とかなり苦戦したと思われる。
問2・問6の化学分野では、化学変化・イオンの問題が出題され、基礎的な知識を問う内容が多かった。
正答率が高かった中で問6(ウ)と(エ)は問題文とグラフから情報を収集し数値の丁寧な処理が求められる内容だった。
知識や与えられた情報を整理して活用する問題への対応として日頃の学習での訓練が大切です。
□ 社会 □
問題構成や問題形式は昨年度と同様で、昨年に比べ平均点が上がり難度が平易化したように思われるが、基礎的な知識を問う問題の正答率は高かった一方で、より深い知識と理解の上に思考・判断した結果を選択する問題の正答率は低かった。
問7は各分野を融合した問題が出題され、なかでも(エ)の公民分野、司法権の独立を詳しく説明記述する問題は正答率が最も低かった。(30.4%)
分野を融合した問題も出題されるのも特徴で、地理・歴史・公民を単独に学習するのではなく3分野をリンクして学習する必要性がある。そして、知識を身に付けるだけでなく、それをどう活用考察し正しく結論付けるかの判断力が求められている。
《 まとめ 》
入試制度改革以降の「思考力・判断力・表現力」を求める出題の傾向に変わりはありませんが、「マークシート」の導入により記述の作業時間が若干減ったものの選択肢を選ぶ内容はより深化した難度の高いものへと変わっています。この傾向は次年度以降も継続されると予測されます。
日頃の学習から知識の詰込みではなく、考える力そしてその結果を表現する力を身につける繰り返しの訓練が良い結果を生み出します。
早稲田育英ゼミナール
読売ランド教室
(早稲田育英ゼミナール 読売ランド教室) 2021年5月 6日 18:47
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